シマノの”世界戦略機種”として発表された22ミラベル。
22ミラベルは「CI4+」ボディ・ローターにより廉価モデルながらも自重の軽さ、巻き出しの軽さを兼ね備えている。
いわゆるクイックレスポンスシリーズと呼ばれるリールの一種です。
クイックレスポンスシリーズはヴァンキッシュを頂点にツインパワーXD、ヴァンフォードなど、基本的にミドルクラス以上のみのラインナップでした。
エントリークラスのリールとしては、12アルテグラ(+その派生)以来のクイックレスポンスシリーズとなります(たぶん!)。
初心者の方で、サーフなど巻きの釣りをメインにする方にお勧めなリールです。
自重がそこそこ軽く、巻き出しも軽い。
値段の割には感度に優れるのがこのリールの売りだと思います。
ただし軽さ以外はザ・廉価モデルって感じなので、あくまで最初の1台としてお勧めです!
自重・価格的にダイワのフリームスと同じぐらいなので、どちらにするか迷ってる方が多いかもしれませんね。
今回、それぞれどんな人に向いているかを考えようと思います。
CI4+の良いところ
そもそも「CI4+」って何ぞや?
ざっくり説明すると、軽くて強いシマノ独自のカーボン素材です。
リールはボディが強い(=剛性がある)ほど長持ちするし、大きい魚を狙う事ができます。
剛性があると何故長持ちするのか?
ボディ内部にはギアなどの精密なパーツが入っています。
砂や塩が内部に入り込んだだけでもゴリゴリになったりします。
ボディが歪みやすければ、想像のとおり、中身の劣化が早くなります。
逆に歪みにくければ劣化しにくいという事ですね。
軽いと何が良いの?
ざっくり言うと以下2点です。
- 感度が良い(ローターの軽さによる)
- 疲れにくい(リール自重の軽さによる)
極端な例え方をします。
大きなリールで、重いローター素材のリールを使っていたとしましょう。
そのようなリールだと、ハンドルを回しても手元の感覚として残るのは「ローターの重み」です。
潮の流れがあろうがなかろうがローターの重みがまとわり続けます。
しかし軽量なローター素材だと、ローターの重み以外の変化を感じやすくなります。
サーフなど地形の変化を見極めるのが重要な釣りでは、こういった感度の良さが武器となります。
自重の軽さによるメリットは、長時間釣りをすると身に染みてわかります(笑)
ただしライトショアジギングなどのアクションを頻繁にする釣り方だと、軽すぎるリールは逆に使いにくいです。
※ロッドに対しリールが軽すぎると、ロッドの先の方に重みを感じてしまいます。いわゆる”先重り”ってやつです。
各種比較
21アルテグラ・21ナスキーとの比較
クイックレスポンスとか気にしてない!という方のために、まずは価格が近い21アルテグラ、21ナスキーと比較します。
自重・価格については、サーフでお勧めな4000XGで比較します。
実売価格差は、おそらく2千円ずつぐらいでしょう。
項目 | 21アルテグラ | 22ミラベル | 21ナスキー |
---|---|---|---|
HAGANEギア | ○ | ○ | ○ |
MMギアII | ○ | ー | ー |
Xシップ | ○ | ○ | ○ |
サイレントドライブ | ○ | ○ | ○ |
Xプロテクト | ○ | △コア | △コア |
Gフリーボディ | ○ | ○ | ○ |
AR-Cスプール | ○ | ○ | ○ |
ロングストロークスプール | ○ | ー | ー |
CI4+ボディ | CI4+ボディ | CI4+ボディ・ローター | ー |
SA-RB | ○ | ー | ー |
ワンピースベール | ○ | ー | ー |
自重 | 270g | 245g | 285g |
価格 | \20,100 | \17,000 | \13,900 |
21アルテグラとの差
値段の割に技術特性の差が大きい。
21アルテグラはローターこそCI4+ではないものの、防水性能やキャスト性能、トラブルレス性能など、総合的に優れています。
それでいて実売価格差は2~3千円程度です。価格差が小さい割に性能差が大きい。
クイックレスポンスシリーズに拘りが無ければ21アルテグラをお勧めします。
自重の差もそこまで大きくないですからね。
21ナスキーとの差
22ミラベルは21ナスキーよりも2~3千円高い程度と思われますが、それでいてCI4+ボディ・ローターが付くのは大きいです。
自重差も40gとそこそこ大きいため、使用感にも影響があるレベルでしょう。
こうなると、21ナスキーを選ぶ理由はほとんどなくなると思います。
20ヴァンフォードとの比較
クイックレスポンスシリーズとして1ランク上に位置する、ヴァンフォードと比較してみます。
自重、価格は4000XGで比較。
技術特性の差はアルテグラとほとんど同じです。
ちなみに補足ですが、20ヴァンフォードもCI4+ボディ・ローターですが、形状は22ミラベルと異なります。
22ミラベルは材質こそCI4+であるものの、形はナスキーに類似しています。
価格差が納得できる性能差ですね…w
シマノ(SHIMANO) 20 ヴァンフォード 4000XG(楽天)
項目 | 20ヴァンフォード | 22ミラベル |
---|---|---|
HAGANEギア | ○ | ○ |
MMギアII | ○ | ー |
Xシップ | ○ | ○ |
サイレントドライブ | ○ | ○ |
Xプロテクト | ○ | △コア |
Gフリーボディ | ○ | ○ |
AR-Cスプール | ○ | ○ |
ロングストロークスプール | ○ | ー |
CI4+ボディ・ローター | ○ | ○ ※ベースはナスキー |
SA-RB | ○ | ー |
ワンピースベール | ○ | ー |
自重 | 215g | 245g |
価格 | \34,500 | \17,000 |
21フリームスとの比較
そもそもメーカーが違うんで比較するのはどうだろ?って思ったんですが、気にせず比較します。
21フリームスと22ミラベルは自重が近く、値段も凄く似ています。
1万円ぐらいのリールで、軽めの自重、巻き出しが軽いローター。
性格は超ソックリです。
メーカーが違うので技術特性を比べても仕方ないですが…
一応比較表を作ってみます。
ソックリさんというのがわかると思います。
項目 | 22ミラベル | 21フリームス |
---|---|---|
ボディ素材 | CI4+ | ザイオンV |
ローター素材 | CI4+ | ザイオンV |
ギア素材 | 超々ジュラルミン | 亜鉛(タフデジギア) |
防水機構 | コアプロテクト | マグシールド |
ボディ・ローター素材について
ここについては、どっちが優れるかは数値的な試験をしないとわかりません。
差別化が難しいポイントだと思います。
防水性について
結論から書くと、防水性はどっちも「う~ん」って感じです。
廉価モデルだから仕方ない。
Xプロテクトなら防水面で大きな差があると言えたんですが、コアプロテクトだと微妙。
過去に買ったコアプロテクト機が割と早い段階でシャリったので、あまり信用していません。
無いよりはマシかな~ってぐらいに思ってます。
マグシールド機はそこまで早くシャリった事は無いんですが、やはりXプロテクト程の信用はありません。
また、いざという時に自己メンテしにくいのが難点。
数万円するリールならしかるべき所に修理に出す価値がありますが、この価格帯だと買いなおした方が得です。
いっその事、自己メンテ後はマグシールド非搭載機として扱うのもアリですけどね。
ただそうすると防水性が悪くなるので、自己メンテを頻繁にしないといけません。
追加で言うと、21フリームスはボディにストッパーが付いており、個人的にはこれが凄く邪魔。
明らかに防水性下げるよな~って思います。
ギア材質について
これはHAGANEギア(超々ジュラルミン)である22ミラベルに分があると言って良いでしょう。
亜鉛ギアはゴロツキが出るのが早いです。
たぶん、ギア材質で選び分けてる人って結構多いんじゃないかな?って思います。
なのでDAIWAの低価格帯も超々ジュラルミンになればアツいんですがw
BGとかギアが良くなった日にはお祭りですよ。
結局どっちが良いの?
ボディ剛性や防水性は似たり寄ったりですが、ギア材質では22ミラベルが勝るように思えます。
しかしダイワ機のギアは高精度なのが売りで、初期の巻き心地が良いのが特徴です。
故に、何を重視するかで選び分けたら良いと思います。
耐久性重視なら22ミラベル、初期の使い心地なら21フリームスでしょう。
まあ…私ならもうちょっとお金出して、21アルテグラ(もしくはその派生機種)買うかな…w
まとめ
- クイックレスポンスシリーズに拘らず、コスパ重視なら21アルテグラがお勧め!
- ただし、初心者の方がサーフなどの巻きの釣りに買うのはアリ!
コメント