2022年8月に日本での販売が開始されたPENNのAUTHORITY。PENNのSW機フラッグシップモデルです。
SLAMMER IV(4500)、SLAMMER IV DXを3モデル(3500、4500、6500)、AUTHORITY(6500HS)を購入した私がSLAMMER IVと比べて何が違うのかをまとめました。
AUTHORITYは中型~大型のSWリールで、本格的に青物を狙う方にお勧めなリールです。
ざっくり書くとSLAMMER以上のギア強度、防水性があります。
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AUTHORITYの性能について
製品の特長について
AUTHORITYの特徴は以下のとおり。
- フルメタルボディ、サイドプレート、ローター
- ステンレス製のドライブギア、ピニオンギア
- IPX8の防水性
- 撥水ラインローラーベアリング
- シールドスラマードラグ
これだけ見るとSLAMMER IV DXと凄く似ているリールに思えます。
しかし実際はSLAMMER IV DXから大幅に設計が見直された新たなリールです。
ボディ形状、中身の構造、ギア径、ローター形状などがSLAMMER IV DXとは異なっています(もちろんSLAMMER IV通常版とも違う)。
違いについては次項から見ていきましょう。
ちなみにAUTHORITYはシマノのSW機と並び、IPX8を誇ります。
船で海水をザバザバ浴びるような状況でも大丈夫だし、何なら水没させても耐えられるレベル。
だからと言ってわざと水没させるのはNGだけども!
等 級 | 保護の程度 |
---|---|
IPX5 | あらゆる方向からの噴流水による有害な影響がない(防噴流形) |
IPX6 | あらゆる方向からの強い噴流水による有害な影響がない(耐水形) |
IPX7 | 一時的に一定水圧の条件に水没しても内部に浸水することがない(防浸形) |
IPX8 | 継続的に水没しても内部に浸水することがない(水中形) |
SLAMMER IV DXとは設計が根本的に異なる!
SLAMMER IV DXは3万円でありながら、ステンレス製のドライブギア・ピニオンギアを搭載した高耐久リールです。
AUTHORITYは4万円~5万円台とやや高くなりますが、やはりステンレス製のギアを積んでおり、さらに防水性が高くなっています(IPX6→IPX8)。
では、違いはスペック表記できるものだけなのか?というと、そうではありません。
防水性は見ても分かりませんが、ボディ形状などは外観で違う事を判別できます。
ローター形状の違い
下の写真は、両方6500番サイズのものです。
AUTHORITYのローターの方が太く作られています。
横側の肉抜きも形状が違います。
SLAMMER IV DXでも充分強靭なローターですが、AUTHORITYに強くなっています。
続いて側面の肉抜き部分。
ラインローラーの違い
同じく「撥水ラインローラーベアリング」仕様ですが、形状は異なります。
そのためパーツの流用はできないでしょう。
ボディ形状の違い
SLAMMER IV DXはPENNの他モデルと共通?と思われるボディです。
ネジはマイナスドライバーもしくはプラスドライバ-で開封可能。
一夫、AUTHORITYはやや丸みを帯びた形状になっています。
私はまだAUTHORITYの中は開けてないですが、ギア径はAUTHORITYの方が大きいとの事。
ちなみにSLAMMER IV DX6500のギア径は36mmでした(若干誤差あるかも)。
リールフットの形も違いますね。
ハンドルの違い
ハンドルも形が違います。
まあ、これは釣果に影響しないかな。
AUTHORITYの方が高級感ありますね。
ノブ形状は同じ。
スペック表
以下スペック表もピュアフィッシングジャパンからの引用です。
ちなみに国内で販売されているモデルでは、SLAMMER IVの方が意外にも番手展開が多いです。
SLAMMER IVはこれに加えて10500番があります。
海外であればAUTHORITYも10500番まであるんですが、1kg超のサイヤ人向けリールなので、ラインナップからあえて外されているのかも。
製品名 | 自重 (g) | ギア比 | 最大 ドラグ力(kg) | 最大巻取長 (cm) | BB | ラインキャパ(m) ナイロン・フロロ/PE |
---|---|---|---|---|---|---|
3500 | 405 | 5.7.1 | 13 | 86 | 12/1 | 0.31-180/ PE2-250 |
4500 | 425 | 5.7:1 | 13.6 | 93 | 12/1 | 0.33-215/ PE2.5-300 |
4500HS | 425 | 7.0:1 | 13.6 | 114 | 12/1 | 0.33-215/ PE2.5-300 |
5500 | 669 | 5.2:1 | 18.1 | 91 | 12/1 | 0.33-300/ PE3-300 |
6500 | 720 | 5.2:1 | 18.1 | 99 | 12/1 | 0.33-355/ PE4-300 |
6500HS | 720 | 6.2:1 | 18.1 | 121 | 12/1 | 0.33-355/ PE4-300 |
8500 | 882 | 4.7:1 | 18.1 | 106 | 12/1 | 0.46-415/ PE8-300 |
8500HS | 882 | 5.3:1 | 18.1 | 127 | 12/1 | 0.46-415/ PE8-300 |
自重や巻取長を見るに、大体こんな感じの利用が想定されているのかな。
4500/4500HS
ダイワ/シマノの5000~6000番と同じぐらいの自重で、巻取長も大体それらと同じぐらいですね。
ギア比と巻取長から見るに、ノーマルの方は汎用で、HSの方はプラグ用ですね。
ノーマルでもギア比が5.7:1と高めなので、ダイワ/シマノのハイギアとおなじぐらいの感覚だと思います。
5500
こちらはHSモデルが無く、ギア比5.2:1のもののみです。
おそらくジギングを想定しているのではないでしょうか。
巻取長91cmなので、プラッキングをするにはやや心もとないです(できなくもないですが、ライントラブルの元)。
自重669gなので、ライトジギングではなくガチなジギングです。
6500/6500HS
6500はジグ用、6500HSはプラグ用と思われます。
6500はギア比5.2:1と低めですが、巻取長は99cmあります。
ぎりぎりプラッキングできそうな気がしますが、やはりジグ向きでしょう。
6500HSはギア比6.2:1とそこまで高くはないですが、巻取長(121cm)を考えるとやはりプラグ向きでしょう。
8500/8500HS
8500はギア比4.7:1とかなり低めです。それでも巻取長は106cmあります。
ここまでの巻取長であればプラグも使えるかと思います。
しかし8500HSがある以上、8500は存在感が少し霞んでしまいそうな気がします。
何故なら、リール自重が882gと重いので、筋肉タイプの人以外にはジグ用途で使いこなせそうにないからです。
まとめ
以下を踏まえると「21ツインパワーSWや21セルテートSWよりも安く済ませたいけど、SLAMMER IVでは物足りない人」向けのリールかな?と思います。
SLAMMERは同価格帯のリール(ストラディックSWやカルディアSW)と比べて剛性・ドラグが優れるため、高コスパリールとしての評判がありました。
AUTHORITYは価格帯的に、21ツインパワー・21セルテートSWが比較対象になってしまうため、SLAMMERと比べると若干影が薄いように思います。
ツインパ・セルテで大体の場面はカバーできますからね。
ただ、リールの持つ剛性的に考えると、本来はステラSW、ソルティガと比較すべきなのかもしれません。
そういった意味では、SLAMMERに負けず劣らずのコストパフォーマンスの高さと見ることができるでしょう。
- AUTHORITYはSLAMMER IVよりもギア素材が良い。※DX版であれば同じ
- AUTHORITYはSLAMMERよりも防水性が高い、IPX8相当
- そもそもボディやローターの設計から異なる。
- 当然、ボディ剛性も申し分なし。
- 番手展開は10500番以外SLAMMER IVと同じ(国内のAUTHORITYには10500番無し)。
- 実売価格帯は4万円~
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