最近、ショアジギング・プラッキング用のタックルについて情報をまとめていました。
それでピュアフィッシングジャパンHPを見ていて気付いたのですが…
なんとPENNのリールラインナップにSLAMMER IV DXが載っている!
SLAMMER IVより1万円近く高いものの、ベアリング数やギア素材はDXのほうが上です。
3万円ぐらいまでで選べる最もタフなリールが欲しい人にお勧めです。
アメリカでは通常モデルとDXモデルが同時発売していたので、同時発売されなかった日本では売られないものと思ってました…嬉しい誤算!
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追記)SLAMMER IVとSLAMMER IV DX両方とも買っちゃいましたw
SLAMMER IV(+DXなどのまとめ)記事はこちら。
どんな人にお勧め?
冒頭に書いたとおり、3万円ぐらいまでで選べる最もタフなリールが欲しい人にお勧めです。
国内メーカーの3万円台までのリールでここまで剛性が重視されたリールは他にありません。
番手 | サイズ感(ダイワ・シマノ) | お勧めの使い方 |
---|---|---|
3500・4500 | 5000~6000 | LSJ、ショアジギング |
5500・6500 | 8000~10000 | オフショアジギング、ショアジギング |
7500・8500 | 18000~20000 | マグロ、GT |
メリット
- 大型青物を狙えるだけの剛性があるリールを3万円台で入手可能な点
- 剛性だけではなく防水性も良い点
- 容易にボディを開けられるため、自己メンテで長期的に使える点
この価格帯でこれだけタフなリールが買えるってのは本当に良い事だと思います。
あと、ダイワやシマノのリールだとボディ内部を触るのにローターまで外さなければいけませんが、PENNリールの大半はそのまま開けれます。
SLAMMER IV DXも例外ではありません。
デメリット
- PENN特有のグリスにより巻き出しはやや重い点
- アタリハズレがある点
PENNリールを持っている人ならわかりますが、リール各所に塗ってある緑色のグリスが中々に固い!
ドライブギアにも塗られていためか、巻き出しは少し重めです。
ただ巻き心地が悪いかというと、悪くは無いです。
流石にツインパやセルテのヌメヌメさには及びませんが、硬質なギアだからか、スルスルとして巻き心地です。
ここが凄いぞSLAMMER IV DX!
具体的にこのリールの良さを書くと以下のとおり。
- 3万円台までのリールでは随一の剛性(アルミボディ、アルミサイドプレート、アルミローター)。
- 超々ジュラルミンを上回る硬度の素材(ステンレス)をドライブギア・ピニオンギアに採用。
- IPX6の防水性。
- 優秀なドラグ性能。
青物狙いで使うリールはどれだけ剛性が高く、防水能力があるか?というのがとても重要です。
そのため各釣り具メーカーは青物向けのリールをSW向けとして剛性・防水性重視で作っています。
汎用リールは値段が上がるにつれ、剛性は必要十分のまま、軽いものになります。
ではSWリールはどうかというと、高いものほど剛性が高く、防水性能が上がります。
具体的にはボディ・ローター素材で金属の割合が高くなり、ギアが高硬度の素材に変わり、防水機構が付いていきます。
SLAMMER IV DXはなんと3万円台でありながらステンレス製のドライブギアとピニオンギア(以下画像)を搭載しています。
しかもフルメタルボディ(ボディ、サイドプレート、ローターがアルミ)です。
国内メーカー(シマノ、ダイワ)では本格的な青物狙いには5万円以上のリールが好ましいと言われています(ツインパワーSW、セルテートSW以上)。
それでもツインパワーSWは半プラ(足つき側がアルミ)、セルテートSWはローターがZAION(カーボン系素材)です。
シマノ・ダイワでは、フラッグシップモデル(ステラSW、ソルティガになって初めてフルメタル仕様ですからね。
そのため、SLAMMER IV DXはそれらと比べ決して剛性は劣りません。
(というかツインパワーSW、セルテートSWよりも剛性は高いと思われる)
SLAMMER IV(通常モデル)であっても大きな違いはギア素材(通常モデルは真鍮ギア)でフルメタルボディなので、やはり価格の割に非常に高い剛性です。
通常モデルなら2万円台、DXモデルなら3万円台と、国内メーカーのものより安くタフなリールを使いたい人にとてもお勧めなリールという訳です。
ちなみに防水性能はIPX6で、充分高いです。
※詳細は下記参照。
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IPX6ってどのぐらいの防水性能?
以下、wikiから抜粋したものです。
あらゆる方向からの強い噴流水による有害な影響がない
とあるので、オフショアで海水をザバザバ被るような事があっても大丈夫という事。
もちろん釣行後の水洗いは必要ですけどね!
等 級 | 保護の程度 |
---|---|
IPX5 | あらゆる方向からの噴流水による有害な影響がない(防噴流形) |
IPX6 | あらゆる方向からの強い噴流水による有害な影響がない(耐水形) |
IPX7 | 一時的に一定水圧の条件に水没しても内部に浸水することがない(防浸形) |
IPX8 | 継続的に水没しても内部に浸水することがない(水中形) |
上位・下位モデルとの違いは何?
上位モデルはSWリールのフラッグシップであるAUTHORITYです。
一つ下はSLAMMER IV(通常モデル)です。
全部「剛性が高くて良いリール!」と紹介されがちなので、大きな違いをまとめてみました。
金額はタイミングや日本での在庫状況次第なので、参考程度に。
特に、DXは販売開始から間もないせいか価格が安定してないです。
リール名 | 防水性 | BB | ドライブギア ピニオンギア素材 | スペアノブ 素材 | 実売価格(目安) |
---|---|---|---|---|---|
SLAMMER IV | IPX6 | 8/1 | 真鍮 | EVA | 2万円台 |
SLAMMER IV DX | IPX6 | 9/1 | ステンレス | ハイパロン | 3万円台 |
AUTHORITY | IPX8 | 12/1 | ステンレス | ハイパロン | 5万円前後 |
PENNのリールはハンドルノブのスペアが付いてくるモデルがあります。
SLAMMER IVやAUTHORITYもスペアノブが付きます。
AUTHORITYとDXはハイパロンとありますが…公式HPの画像を見る感じだとEVAとの違いがよくわかりません。
SLAMMER IVとSLAMMER IV DX両方を買ったのでハンドルを比較します。
結論、ハイパロンの方が滑れにくい素材でした。
ザラザラした感じの触り心地です。
EVAはすべすべ。
画像じゃあまりわかりませんが…
これがSLAMMER IVのEVAノブです。
4500番まではこの形状で、5500番からラウンド型になります。
一方、SLAMMER IV DXのハイパロンノブはこちら。
ラインナップの違いは?
それぞれ自重(g)、ギア比、巻取長(cm)、PE(号-m)を記載。
表の横幅節約のためリール名称は略してます(;^_^A
DX版は通常版にあったHSモデルが無いのと、10500番が無いです。
DX版は巻取長的にショアプラッキングには向かない気がする!
どちらかというとジギング向けのモデルですね。
6500ならショアプラッキングでも使えるかな。
リール | 3500 | 4500 | 4500 HS | 5500 | 6500 | 6500 HS | 7500 | 8500 | 8500 HS | 10500 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
SLAM | 400 6.2 94 2.5-250 | 425 6.2 100 2.5-300 | 425 7.0 116 2.5-350 | 629 5.6 98 3-300 | 687 5.6 106 4-300 | 687 6.2 121 5-300 | – | 869 4.7 106 8-300 | 869 5.3 127 8-350 | 1215 4.2 107 12-300 |
DX | SLAM6.2 94 2-250 | 3946.2 100 2.5-300 | 425– | 5.6 98 3-300 | 6295.6 106 4-300 | 686– | 4.7 98 5-300 | 8144.7 106 8-300 | 867– | – |
AUTH | 405 5.7 86 2-250 | 425 5.7 93 2.5-300 | 425 7.0 114 2.5-300 | 669 5.2 91 3-300 | 720 5.2 99 4-300 | 720 6.2 121 4-300 | – | 882 4.7 106 8-300 | 882 5.3 127 8-300 | – |
という事で、巻取り長重視ならSLAMMER IV通常版かAUTHORITYが良さそう。
DX版にも後からHSモデル出ればいいんだけど。
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また、スペック表にこそ書かれていませんが、どうやらAUTHORITYはボディの構造が違う様です。
それもあってか、同番手ではAUTHORITYのギア径が大きいみたい。
なので耐久性的にはAUTHORITY>SLAMMER IV DX>SLAMMER IVと言えます。
巻上力はAUTHORITY>SLAMMER IV DX=SLAMMER IV
防水性もAUTHORITY>SLAMMER IV DX=SLAMMER IV
スペック
主要スペックは上のとおり。
SLAMMER IV DXにフォーカスしてスペックを見てみましょう。
メーカー希望価格は全て3万円台ですが、発売から間もないせいかAmazonではそれ以上になっているものも^^;
LSJ用に3500もしくは4500あたりが良いですね。
ちなみに3500と4500は共通のボディと思われる。
番手 | 自重 (g) | ギア比 | 巻取長 (cm) | 最大ドラグ (Kg) | BB | PE (号-m) | メーカー 希望価格 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
3500 | 394 | 6.2:1 | 94 | 13 | 9/1 | 2-250 | ¥30,000 |
4500 | 425 | 6.2:1 | 100 | 13 | 9/1 | 2.5-300 | ¥32,000 |
5500 | 629 | 5.6:1 | 98 | 18 | 9/1 | 3-300 | ¥33,000 |
6500 | 686 | 5.6:1 | 106 | 18 | 9/1 | 4-300 | ¥34,000 |
7500 | 814 | 4.7:1 | 98 | 22 | 9/1 | 5-300 | ¥36,000 |
8500 | 867 | 4.7:1 | 106 | 22 | 9/1 | 8-300 | ¥36,000 |
それぞれのボディサイズは?
私は3500番と4500番を購入しました。
折角なので自重の実測値や、ギア径なんかにも触れようと思います。
結論から書きますと、3500と4500はスプール、ローターサイズのみの違い思われます。
同じギア比だし巻上力に差は無いでしょう。
なので、3500と4500の選び分けはラインキャパの差で考えたら良いとも居ます。
5500、6500は持っていないので何とも言えないですが…
同じパターンの可能性はあるかと。
もし知っている人が居たら教えてください!
3500番のボディサイズについて
まずは全体の自重です↓。
389gと、スペック表よりも5g軽かったです。
たぶん単位(oz⇔g)の変換で出た誤差かな。
次にスプール+ドラグノブ↓
ということでボディ+ローター+ハンドル(スプール・ドラグノブ抜き)だと306gです。
続いて3500のローター径↓
あんま正確じゃないかもしれんけど外径で71.5mmぐらい。
そしてギア径です。
ギア径はギリ29mm無いぐらい。若干誤差あるかも。
4500番のボディサイズについて
続いて4500番の自重です。
こちらは416gと、スペック表と9gもの差があります。
3500番より27gも重いです。
次にスプール+ドラグノブです。
3500番のものと9gの差。
324…と思いきや325gでした。
まあこれは誤差ですね。
続いてローター径です。
76.2mmぐらいかな。
3500よりも5mm近く大きいローターという事になります。
ギア径は29mmにギリ届かないぐらい。
おそらくだけど、3500と4500のドライブギア径は同じと思われます。
その分スプールとローターにサイズ差があるようです。
どちらもギア比は6.2なので、リールの巻上力に差は無いと考えて良いでしょう。
PENNリールのメンテナンスが楽って本当?
PENNリールを持っている方の動画(youtube)にありますが、
他メーカーと違い、ローターまで外さずともボディを開けることができます。
そのため他メーカーのリールと比べ圧倒的に内部への注油が楽です。
自己メンテナンスが比較的容易で長く快適に使えるというのも、PENNリールの良い所です。
3500番インプレ!
使用環境
- ロッド…ブラストSLJ 63MS-S
- リール…SLAMMER IV DX 3500
- PE1.5号300m、リーダー6号
- ルアー…ジグヘッド40g(ハイパーヘッドタッチダウン)、グロー系ワーム
- 水深20m~40m
釣った魚
- オオモンハタ 55cm×1、32cm×1
- マダイ 38cm×1
- カサゴ 20cm×1
実際に魚をかけて思ったこと。
オオモンハタ55cmをかけた時は水深40m近く、それなりに大きな魚だったこともあり、巻上はかなりキツかったです。
これは内部のグリスが粘度の高いモノだった事や、ギア比6.2というのが関係しています。
また、ハンドル長がそこまで長くないため、力を込めにくかったのもあると思います。
もしオフショアで使うのであれば、グリスの塗り替えとハンドル交換をお勧めします。
ショアからであれば、そこまで気にならないかも。
故に、SLAMMER IV DXの3500・4500は、ライトショアジギングやヒラスズキ狙いに適性があると思います。
同時に購入した6500番はまだ試せていません。
それなりにハンドル長がある点、ギア比が5.6にとどめられている点を考慮すると、ある程度バーチカルな釣りにも向いていそうです。
巻き感の改善について
グリス塗りなおし
Youtubeで「釣り基地ダウンアンダー」さんという方がボディを開ける手順を詳しく解説しています。
(本人から許可を撮っていないので、動画への直リンクは避けておきます)
私はその動画を参考に、以下の手順でボディを開けドライブギアを取り外しています。
1.スプールが下死点にくるまでハンドルを巻く(IPX6の表記が隠れるぐらいの位置)
2.ローターとリールフットをゴムなどで固定し、ハンドルを外す。
※固定しておかないとローターが回転し、スプール位置がずれて面倒なため。
3.ボディのネジを外す(赤い〇の箇所)
この際、ネジそれぞれを一気に外さないようにしましょう。
最初の1本を少し緩め、その次の1本を少し緩め、また次の1本を少し緩める。
一か所だけ締め付ける力が一気になくなると、ボディの歪みに繋がるからです。
4.赤丸位置の小さいネジを外す。
このネジを外す事でメインシャフトが摺動子から外れ、メインシャフトが抜けるようになります。
5.メインシャフトを抜く。
手順4の後、メインシャフトを上に引っ張ると簡単に抜くことができます。
6.ドライブギアを外す。
手順5の後、ドライブギアが簡単に引っこ抜けるようになります。
ちなみに手順をすっ飛ばしてドライブギアを抜こうとしても、うまく抜くことができないと思います。
少し引っ張っても外れないのに無理に力をかけると、ギアの歯面が劣化したり、ボディが歪む原因になります。
PENNリールはボディを簡単に開けることができますが、一応気を付けてくださいね!
※以前持っていたリールで破損させた経験あり(;^_^A
ここまでやったら付いているグリスを脱脂させ、新たなグリスを塗布しなおす事が容易でしょう。
ドライブギア軸へのシムリング追加
大きな魚をかけて強引に巻き続けたりすると、ボディに負荷がかかりすぎ、内部のクリアランスが悪化する事があります。
組みなおすだけでも改善する場合がありますが、それでも改善しない場合はシム追加で改善する場合があります。
今回3500番用に購入したのはコレ。
内径8mm、厚さ0.01mmと0.02mmのステンレス製シムリング。
ただし付けた後に思ったけど、厚さ0.01mmは薄すぎた(;^_^A
0.05mmと0.02mmを数枚ずつ買っとけば良かったかな。
次からは0.01mmは買わない!
で、ここに付け加えます。
これをする事でドライブギアとピニオンギアのアタリが調整され、巻き心地に変化が出ます。
ゴリ感がでても、結構これで直るっぽい。
ハンドル交換
ゴメクサスのハンドルで、PENNリールに適合するものがあります。
SLAMMER IV DX 3500のハンドル長は60mmで、ゴメクサスのものは65mmです。
これにより、多少力をかけやすくする事ができます。
私が買ったのはこれです。
4000円弱ですが、セールなどを狙えばもう少しお得に買えるかも。
ちなみに色が合ってなかったのでノブだけこちらに変更。
ガンメタかっこいいな…
なおPENNのノブはゴメクサスのハンドルに付けられませんでした。
ベアリングの外径が合ってなかった。
まとめ
- SLAMMER IV DXはステンレスギア搭載で通常版(真鍮ギア)よりもさらにタフ仕様!
- 3万円台までのリールでは剛性随一(ボディ、サイドプレート、ローターがアルミ製)
国内5万クラスと比較しても剛性は上。 - 通常版にあったハイギアモデルがない。
そのため基本的にはジグ向き。
6500番ならショアプラッキングでもあり。
最近、海外メーカーのSWリールはボディ素材、ギア素材を高強度なものにしてきていますね。
シマノ、ダイワも同じ路線でいってくれないだろうか…と思うばかり。
まあ、ツインパSWの剛性で釣れない魚なんて掛けた事無いんだけどさw
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