シマノから23セドナが発表されましたね。23年7月(500~C2000SHGは8月)発売予定。
セドナは1万円未満で買える汎用リールの中では主な選択肢の一つで、初めて釣りをする方にとてもお勧めのリールです。
なぜ初心者にこのリールがお勧めなのか、順を追って説明しましょう。
※今回は初心者向けの記事です。通な人には少々退屈かも…!ご容赦ください。
良いリールとは?
リールの良さは一般的に以下で判断されます。
- ボディ材質
- ギア材質
- 組み立て精度
- 防水性
ボディ材質について
高価な汎用リールは軽くありながらも剛性が高い(歪みにくい)です。
軽いリールは手感度が良かったり、疲れにくかったりといったメリットがあります。
デメリットは高価なことぐらいでしょう。
では剛性が高いと何が良いかというと、ボディが歪まない事でギアにダメージが入りにくくなります。
あとは、ギアがかみ合わない事で巻けなくなる現象を抑制したり…といったところでしょうか。
※巻けなくなる現象は、ローターが歪むことでも起きると言われています。
ではこれらは何に因るものかというと…最も大きいのがリールボディの材質です。
※もちろん設計・構造的な要素も大きいです!
リールボディの材質はおおよそ以下に分類されます。
- アルミ系
- マグネシウム系
- カーボン系
- 強化樹脂系
- ハイブリッド
アルミ系
これらの中では最も重いものの、剛性も一番高いです。
主に強度が重視される青物狙いのリールで採用されています(SWリールと呼ばれています、SaltWaterでSWです)。
素材自体は別に高価な訳ではないので、意外と安価なものにも採用されていたりします。
もちろん、高価なリールにも採用されています。
海での青物向け!と思っておけばいいでしょう。
マグネシウム系
軽いけど剛性もある、高価な素材です。
ダイワ・シマノ共に最高級リールに採用しています。
お金持ちや、釣りを突き詰めたい上級者向けのものになります。
カーボン系
こちらも軽くて剛性が高い素材です。
しかも安価!
2,3年前まではミドルクラスに多用されていた素材ですが、最近ではビギナー向けのリールにも採用され始めています(ミラベルとか)。
シマノではCI4+と呼ばれる素材、ダイワではZAIONと呼ばれる素材ですね。
強化樹脂系
こちらは軽いものの、剛性はいまいちです。
主に1万円以下の安価なリールに採用されており、23セドナもこれに該当します。
ただし青物狙いじゃなければそんなに気にする必要は無いため、大抵の釣りは23セドナでも何とかなる訳です。
ハイブリッド
シマノのリールに多いタイプです。
ボディは大きく2つのパーツに分けられるんですが、足つきのパーツをアルミ(もしくはマグネシウム)、その対となるフタをカーボン系(もしくは強化樹脂)とするパターンです。
リールボディに負荷がかかる部分には剛性が高い素材を、そうじゃないところには軽さ重視の素材を…という考えですね。
このパターンを揶揄する言葉が「半プラ」です!w
私自身このタイプのリールをいくつか使ってきましたが、やはりフルメタルのほうが耐久性は高い気がします。
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ギア材質について
良いギア材質は耐久性(耐摩耗性)と軽さのバランスが重視されています。
↓リールに使われるギア材質は大体こんな感じ。
- ステンレス製
- 超々ジュラルミン製
- その他アルミ系
- 真鍮製
- 亜鉛製
ステンレス製
耐久性は抜群です。ただし重い。
それだけに加工しづらいらしく、採用されているリールは極わずか。
海外製のリールでいくつか採用されていますね。
PENNの上位リール(SLAMMER IV DX、AUTHORITYとか)ですね。
超々ジュラルミン製
軽くて強い素材です。
主に高価なリールに採用されていますが、なんと23セドナもこの材質のギアが用いられています。
シマノは安価モデルでも採用している材質ですが、他者では大体ミドルクラス以上のリールから採用していますね。
それだけに、23セドナの高コスパさがわかると思います。
その他アルミ系
超々ジュラルミンもアルミ系ではあるんですが、ジュラルミンや超ジュラルミンなど、アルミ系は意外といっぱいあります。
その他アルミ系の材質は大体がミドルクラスのリールに採用されています(シマノ除く)。
「亜鉛じゃない」というだけでもアピールになりますからね。
アルミ系も軽くて強いですが、超々ジュラルミンには劣ります。
真鍮製
耐久性は高いものの、重いです。
海外製の青物向けリールで採用されています。
※PENNリールなど。
こちらも「亜鉛じゃない」ので、結構重宝されています。
亜鉛製
耐久性・自重共に微妙!
シマノ除く、安物リールに採用されています。
亜鉛製でも表面処理によって差が出る事はあるようですが、高価なリールにはまず採用されていませんね。
ありがたいことに、23セドナはこれじゃありません。
組み立て精度について
高価なリールを使うとハッキリと分かるんですが、良いリールは凄くカッチリしてます。
部品間の余計な遊びが無い事で、手元に伝わるノイズやパワーロスを軽減します。
巻き心地にも影響しますね。
部屋でリールくるくるするのが好きな人には、意外なほど大きい差です(笑)
防水性について
リールは常に水にさらされるので、防水性は極めて重要です。
ダイワ・シマノ共に独自の防水技術を開発しており、その有無がリールの寿命に大きく関わってきます。
残念ながら23セドナにはそういった技術は搭載されていません。
が、釣行後のケアをきちんとしておく事で、ある程度カバーできるでしょう。
23セドナは何が良いの?
じゃあ23セドナは何が良いの?って話なんですが、やはり「低価格帯ながらも超々ジュラルミン製ギアである事」だと思います。
ちなみに23セドナの旧モデルである17セドナもそれは同じでした。
じゃあ17セドナから何か変わったの?って思うでしょう。
それぞれの技術特性を比較し、確認しましょう。
技術特性
23セドナからはサイレントドライブが採用され、リール部品間のガタ、隙間、揺れが軽減されています。
その他は同じです。
技術特性 | 23セドナ | 17セドナ |
---|---|---|
HAGANEギア | ○ | ○ |
サイレントドライブ | ○ | ー |
Gフリーボディ | ○ | ○ |
AR-Cスプール | ○ | ○ |
では、技術特性以外のところから変化を読み取れるところがないか、スペック表を見て確認しましょう。
スペック比較
それぞれのスペック表を丸々二つ載せてもあれなので、まずはラインナップ数や自重、価格帯を比較しましょう。
項目 | 23セドナ | 17(18)セドナ |
---|---|---|
ラインナップ数 | 14 | 16 |
最小番手 | 500 | 500 |
最小番手自重(g) | 170 | 180 |
最大番手 | C5000 | 8000 |
C5000番での自重(g) | 310 | 300 |
ラインナップ数について
まず、ラインナップ数は17セドナの方が多いです。
17セドナは6000番、8000番があるためですね。
ただしこのリールのボディ材質は強化樹脂です。
剛性が高いリールではないので、6000番や8000番などの大型番手は不人気だったのだと思います。
それで、必要な番手のみをラインナップしてきたのではないでしょうか。
そう考えると、23セドナに6000番以上の番手が追加される可能性は低いかもしれません。
最小番手・最大番手の自重差について
500番では10g軽くなり、C5000番では逆に10g重くなっています。
小型番手での10gは非常に大きいので、これは素直に嬉しい事です。
サイレントドライブにより使い心地も向上しているので、500番については格段に良くなったと言えるでしょう。
ではC5000XGはどうか。
主な用途はLSJやシーバスなどだと思います。
この辺の用途では、10g程度の差は誤差と言って差し支えないレベルです。
重くなる事のデメリットよりも、サイレントドライブによるメリットの方が遥かに大きい。
500番からC5000番までの間にある番手までは比較しませんが、17モデルから23モデルになる事で確実に良くなっていると言えるでしょう。
23セドナのスペック表は?
という事で、シマノ公式から引用します。
番手 | ギア比 | 実用ドラグ | 最大ドラグ | 自重 (g) | ハンドル長 (mm) | 最大巻上長 (cm) | 糸巻量 PE(号-m) | 糸巻量 ナイロン(号-m) | 糸巻量 ナイロン(lb-m) | 糸巻量 ナイロン(mm-m) | 糸巻量 フロロ(号-m) | 糸巻量 フロロ(lb-m) |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
500 | 5.6 | 2 | 3 | 170 | 40 | 69 | 0.6-185, 0.8-140, 1-110 | 1-150, 1.5-90, 2-70 | – | 0.20-110 | 1-130, 1.5-85, 2-60 | – |
1000 | 5 | 2 | 3 | 215 | 45 | 66 | 0.8-240, 1-190 | 1.5-130, 2-100, 2.5-85 | – | 0.18-170, 0.20-140, 0.25-90 | 1.5-120, 2-85, 2.5-70 | – |
C2000S | 5 | 2 | 3 | 215 | 45 | 66 | 0.6-150, 0.8-110, 1-80 | – | 3-125, 4-100, 5-75 | 0.14-145, 0.16-105, 0.18-80 | – | 3-110, 4-85, 5-65 |
C2000SHG | 6 | 2 | 3 | 215 | 45 | 79 | 0.6-150, 0.8-110, 1-80 | – | 3-125, 4-100, 5-75 | 0.14-145, 0.16-105, 0.18-80 | – | 3-110, 4-85, 5-65 |
2500 | 5 | 3.5 | 9 | 240 | 55 | 73 | 1-320, 1.2-270, 1.5-220 | 2-170, 2.5-150, 3-120 | – | 0.25-160 | 2-140, 2.5-125, 3-100 | – |
2500HG | 6.2 | 3.5 | 9 | 240 | 55 | 91 | 1-320, 1.2-270, 1.5-220 | 2-170, 2.5-150, 3-120 | – | 0.25-160 | 2-140, 2.5-125, 3-100 | – |
2500S | 5 | 2.5 | 4 | 240 | 55 | 73 | 0.6-200, 0.8-150, 1-120 | – | 5-110, 6-95, 8-70 | 0.16-150, 0.18-120, 0.20-95 | – | 4-130, 5-100, 6-80 |
2500S_PE1010 | 5 | 2.5 | 4 | 240 | 55 | 73 | 0.6-200, 0.8-150, 1-120 | – | 5-110, 6-95, 8-70 | 0.16-150, 0.18-120, 0.20-95 | – | 4-130, 5-100, 6-80 |
2500SDH | 5 | 2.5 | 4 | 270 | 40 | 73 | 0.6-200, 0.8-150, 1-120 | – | 5-110, 6-95, 8-70 | 0.16-150, 0.18-120, 0.20-95 | – | 4-130, 5-100, 6-80 |
C3000 | 5 | 3.5 | 9 | 245 | 55 | 73 | 1-400, 1.5-270, 2-200 | 2.5-180, 3-150, 4-100 | – | 0.25-210, 0.30-130, 0.35-100 | 2.5-160, 3-130, 4-100 | – |
C3000HG | 6.2 | 3.5 | 9 | 245 | 55 | 91 | 1-400, 1.5-270, 2-200 | 2.5-180, 3-150, 4-100 | – | 0.25-210, 0.30-130, 0.35-100 | 2.5-160, 3-130, 4-100 | – |
4000 | 4.7 | 6 | 11 | 290 | 55 | 75 | 1-490, 1.5-320, 2-240 | 3.5-170, 4-150, 5-125 | – | 0.30-180, 0.35-130 | 3-190, 4-145, 5-115 | – |
4000XG | 6.2 | 6 | 11 | 290 | 55 | 99 | 1-490, 1.5-320, 2-240 | 3.5-170, 4-150, 5-125 | – | 0.30-180, 0.35-130 | 3-190, 4-145, 5-115 | – |
C5000XG | 6.2 | 6 | 11 | 310 | 55 | 105 | 1.5-400, 2-300, 3-200 | 4-190, 5-150, 6-125 | – | 0.35-175, 0.40-120 | 4-170, 5-135, 6-115 | – |
小型~中型番手のラインナップが豊富なので、色んな釣りで、初心者が選びやすくなっていますね。
まとめ
では、ここまでの情報をまとめてみましょう。
- 良いリールはボディ材質、ギア材質、組み立て精度、防水性に優れる!
- 23セドナはHAGANEギア(超々ジュラルミン製)でギア材質ヨシ!
- サイレントドライブ採用によりガタツキが17モデルから軽減!
- 小型~中型番手のラインナップが豊富で、どんな釣りから始めたとしても選びやすい!(大物狙いを除く)
何故初心者にお勧めなのかをざっくり書くとコスパに優れ、欲しいと思った番手が選びやすいからです。
という事で、今回はこの辺で記事終わり!
番手が追加されたら追記するかも。
コメント
コメント一覧 (3件)
ネクサーブも6000番と8000番は旧型のままなので(スプール以外ボディは同じ)、セドナも6000番と8000番は旧型のまま(ネクサーブと違いそれぞれボディからすべて別物)だと思う。
ネクサーブも6000番と8000番は旧型のままなのでセドナも6000番と8000番は旧型のままだと思う。
>>ロクマルさん
情報ありがとうございます。
シマノ公式だと、ネクサーブの6000~とそれ未満で確かにモデルが分けられていますね。
スフェロスSWも似たような感じだったと記憶しています。
セドナがそれと同じ道筋をたどるのか、完全廃版となるのか…注目ですね。